数理音楽2.
先回読み始めた論文の続き.
情報処理学会の論文なので,情報処理関連で使われる様々なメソッドは前提として書かれていることもあって,「何のことかな」となる箇所がいくつもあるなか,何となくやりたいことは分からなくもない状態だ.
本日あらためて有効な気がしてきたのは,Tonnetzだ.
長三度を全面に使うこの仕組,西洋音楽特有のものだろうと考えていたのだが,よくよく見直せばこれは三倍音,五倍音の関係を図にしたものだから,音楽文化圏に依らない,という解釈もできる.
つまり,純粋に比較的人類共通だと思われる,簡単な整数比の和音ほど好まれるという音響心理的な特徴を捉えたものである,ということだ.
だとするならそれほど臆することなく(つまり文化圏依存性をあまり気にすることなく)使っていっても良さそうだ.
一方で,その楽曲に現れる各音の頻度は,文化圏依存性が高い.
この二点を明確に区別して扱えば,普遍性を持って進めるのではないか,と思った次第.
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